映画『侍タイムスリッパー』レビュー|面白要素てんこ盛りの全部入り大傑作!
今、時代劇復興の狼煙が…!!
今時代は侍なのよ。わかるニャ?
え??
そう、サムライ。そして時代劇なのよ。時代劇復興の時ニャのよ!
(またこのパターンか…)
確かに時代劇と言えば、真田広之プロデュース・主演のディズニープラス配信『SHOGUN 将軍』が大ヒットでしたね。
そうだ。日本のエンタメアクションと言えばかつては時代劇だったのニャ。
とはいえ昔と比べると時代劇作品は少なくなっていますね…
彗星のごとく現れた自主制作時代劇コメディ
うむ、そこに現れたのが今回紹介する1本の自主制作(!)時代劇映画『侍タイムスリッパー』ニャ!
なるほど…って自主制作?! 時代劇ってセットとか衣装とか自主制作ではいろいろ無理ゲーなのでは…
そう、そんな普通では実現不可能な時代劇映画がここに爆誕したのである!しかも大傑作なのだッ!
シネコ観てきたの?
うむ、観てきたばかりニャ!上映後に拍手が起こる鑑賞体験をぜひみんなも体験してほしい。
イントロダクション/ストーリー(公式サイトより)
侍タイムスリッパー | 公式サイト
映画「侍タイムスリッパー」は、「拳銃と目玉焼」(2014年)「ごはん」(2017年)に続く未来映画社の劇場映画第三弾である。
幕末の侍があろうことか時代劇撮影所にタイスリップ、「斬られ役」として第二の人生に奮闘する姿を描く。
コメディでありながら人間ドラマ、そして手に汗握るチャンバラ活劇でもある。
「自主映画で時代劇を撮る」と言う無謀。コロナ下、資金集めもままならず諦めかけた監督に、「脚本がオモロいから、なんとかしてやりたい」と救いの手を差し伸べたのは他ならぬ東映京都撮影所だった。
10名たらずの自主映画のロケ隊が時代劇の本家、東映京都で撮影を敢行する前代未聞の事態。
半年に及ぶすったもんだの製作期間を経てなんとか映画は完成。
2023年10月京都国際映画祭で初披露された際、客席からの大きな笑い声、エンドロールでの自然発生的な万雷の拍手に関係者は胸を撫でおろしたのであった。
初号完成時の監督の銀行預貯金は7000円と少し。「地獄を見た」と語った。
文句なしに面白く、軽みと重さが絶妙な映画
銀行預貯金7000円て…(絶句)
東映京都撮影所が全面協力というのが熱すぎるニャ。
実際観ての感想はどう?
いやー、これは『カメラを止めるな!』以来の大傑作インディーズ映画だったニャ。
そんなに。でも確かに最初の公開劇場は同じ池袋シネマ・ロサなんですな。
脚本、設定、ストーリー展開が抜群にいい。主人公高坂新左衛門役の山口馬来也さん、そして風見恭一郎役の冨家ノリマサさん二人の演技はすごく熱量があって映画の設定に没入させてくれるニャ。
なるほど。お二人とも時代劇のベテラン俳優なんですな。
そうそう、だから説得力が違うよね。とはいえ、全編がすごい熱量のシリアスシーンだけなのかといえばそうではなくて、基本はタイムスリップしてきた侍が現代に生きるというおもしろSFコメディなところも絶妙なバランスでいいのよ。
笑いあり、涙あり、そして往年の時代劇の流れをくむ殺陣(たて)があり、ということなのね。
こだわりまくった構図、ピント送り!
全編を通して、構図もいいんだよニャ。フィックス(固定)カメラだったり、侍二人を正面左右に配置して真正面から撮るとか、もう往年すぎてたまらんのニャ。
ほう、昔の時代劇の撮り方がふんだんに盛り込まれてるということですな。
あと細かいところだけど、カメラのピントが会話劇の話題とシンクロしていたり、とかなり周到な演出もかっこよかったニャ!
自主制作とはいえすでに安田淳一監督はこれが3作目なのですね。
そのあたりはすごく戦略的に作っていると。
確かに過去の名作時代劇のオマージュシーンがあるので少しでも知っているとたまらなくエモくなるニャ!『椿三十郎』あのシーンのオマージュであろうところも最高の緊張感が出てて最高だった。
最高2回言ったね。
ということでみんなも是非劇場に足を運んで『侍タイムスリッパー』を味わってくるのニャ!
映画『侍タイムスリッパー』は絶賛公開中です!
都内1館の公開から約2ヵ月…全国300館以上での公開規模に!
8月17日に東京池袋シネマ・ロサのたった1館での公開からスタートした『侍タイムスリッパー』。SNSでの絶賛が相次ぎ、なんと大手GAGAが配給に参加!
9月13日からTOHO系MOVIX系含む全国の劇場での公開が決定したのだ。
そして10月18日現在、なんと公開規模が全国300館を超えることが決定したぞ!
これはやばいですね…!!
自主制作映画としては『カメラを止めるな!』以来の大ヒット!
興収も10月18日時点で3億は突破した模様。とうとう観客動員数ランキングトップ10入りも果たしたニャ!
この勢いはまだまだ続きそうです!
\ 絶賛公開中! /
※なお、公式サイトのライティングがどうも監督自ら書いているのでは?な書きっぷりでほとんど自主映画制作ドキュメンタリーな内容なのが面白いです!最後あたり一人称になってる気が…