映画『ボイリング・ポイント/沸騰』レビュー|厨房映画は良作が多い!?驚異の90分間ワンカットで迫る濃密な群像映画
料理系というか厨房系映画は良作が多い気がするニャ・・・
ざっとピックアップしてみますと・・・『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2014)、『南極料理人』(2009)、『レミーのおいしいレストラン』(2007)、『ディナー・ラッシュ』(2001)、『バベットの晩餐会』(1987)、『タンポポ』(1985)・・・結構ありますねえ!
そんな料理厨房系映画の歴史に新たに加わるこのイギリス映画『ボイリング・ポイント/沸騰』である!
どうでしたかな?
まあ、まずは驚きの90分ワンカットのみ映画というところニャ。
は?90分ワンカット!?実写映画ですよね??
そうなんだよ。実写。しかもノーCG・・!! 狂気じみた撮影だよ。ほとんど舞台演劇ニャ。
NGとか出せないのでは・・・?
そうなんだよな、どうやって撮ったんだろという驚きがある。レストランのホール、厨房、バックヤードを所狭しと手持ちカメラが登場人物達をひたすら追いかけるのだ。
ストーリー的には?
【ストーリー】 人気レストランのオーナーシェフ・アンディは種々問題も抱えていて妻子と別居し、疲れ切っていた。 1年で最も忙しいクリスマス前の金曜日、タイミング悪く衛生管理検査で評価を下げられ、スタッフ、普通の客、youtuber客(笑)、ライバルシェフとグルメ評論家の突然の来店と様々なトラブルが立て続けに発生して・・・アンディは果たしてこの夜を乗り越えられるのか!?
料理・厨房系映画が面白くなる秘密は、「料理を作る行為そのものの映像的面白さ」「客とのコミュニケーション」「スタッフのマネジメント」「群像劇」「厨房(裏)とホール(表)いう舞台構造」というところが重層的に組み合わさるところにあると思うニャ。
なるほど。厨房・ホール・バックヤード、とカメラを追うだけで人間模様と食(人間の根源的な行為でもある)がアクロバティックに映されるということでありますな?
そうなんだよ。だから良作が多くなる気がする、といいつつもその脚本を作るのはなかなかチャレンジングなハードルだとは思うニャ。
観終わった感想としては?
いやー、濃密なある一夜の人間模様、アンディと一緒にぐったりした気分が味わえたニャ(笑)
一緒にぐったり(笑)
ちなみに副料理長役のカーリーは『SHERLOCK/シャーロック』のサリー・ドノヴァン役で知られたヴィネット・ロビンソンであります!相変わらずイイ味出してるニャ!
映画『ボイリング・ポイント/沸騰』は7月15日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開!